25 Aug 2024
あらすじ:帝京高校のインターナショナルコースで「研究とは何か?」をテーマにワークショップをやろうということになったワタクシ。初めは「問いの立て方」by 宮野 公樹にすぐ半熟的に影響されてしまって、それをどうにか反映させようとしていたわけ。一応、ワークショップは二本立てで批判と問いっていう二つのツールを紹介しようと思っている。
批判の方はMq uni.でやったことが大体クイズみたいな感じで楽しめるから、軽くて良いと思う。問いの方が、ワタクシ自身、ちゃんと本質を理解していない気がするので、関先生にもなんかはっきりと分からないと言われております。
それで、先生は木須くん自身の話とかないの?という提案をしてくれて、それなら、自分のことなら自分がちゃんとある程度は知っているでしょう。ということで、ワタクシがこれまで、自称、研究をやってきた中でどんな問いが生まれて、なんでそれが重要だと思っているのかをお話ししたら良いんじゃないかと思っておる。
だから、ワタクシが今までどんなことを問うてきたのかを振り返るのはどうかなーーー。興味あるかしら。
問いが研究においてどんな役割を果たすのか、木須の実体験をもとに見ていく。最後に、ワークショップの参加者自身がこれから研究、進学、それ以外をする上でどのように問いを利用できるかを考えられるようになる。
木須のエピソード(実際は3分の1くらいのボリュームにする予定)
中学生・高校生の頃は疑問を持つことがほとんどなかった。代わりに興味のあるものには食いついていた。多分、問いを作るのにはある程度は経験のストックが必要。
→バスケットボール
→バイオミメティクス
→SFのテクノロジー
→異文化
→環境問題
→模擬国連
→スピーチコンテスト
→モデリング
大学に入学して、学問の自由さを目の当たりにした時に、なんて貴重な場所なんだと感じた、自分でも新しい知を創造したいという気持ちから探究心が生まれる。
とは言いつつも、大学1年生は勢いでなんでも学ぶ。高校生の頃とあんまり変わらない感じの忙しさ。2年生になって学ぶことに対して意義を見出したくなる。そこで日本国憲法がつまらなすぎた。(担当教員の先生、すみません。)
ここからは「問い(きっかけ)→行動」の連続が続いている。
社会の課題をどうすれば生物学で紐解くことができるのか?(日本国憲法の授業にモチベーションが湧かなすぎて、憲法を生物学だと思って履修していた)
→細胞生物学のサマースクールで科学の実験デザインを人文系のトピックに持ち込んだ(しかし、人文と科学の距離を感じて、より根本的な部分を見たいと考えた)
文理の融合はどうすれば起きるのか?
→先住民学と認知科学を通してコンシリエンスを学びにオーストラリアへ行った
分業して課題解決するための、丁度いい分け方の条件とは?(奨学金に応募した時に何かテーマが必要でリサーチしていたら出てきた)
→抽象的な概念をモデル化する過程を学ぶことができた
共通の課題に対して、どのように異なる方法が使われるのか?(認知学の授業で丁度いい感じの規模感で実験を考える必要があった)
→人間が問題解決をする時にどのように手法を区別するか、生理的・認知的な現象をもとにして実験をデザインした
あるシステムを他に応用できる条件とは何か?(ソフトウェア開発に影響された)
→サークルで出会った友人と情報系と生物系の繋がりについてディスカッションした
認知の分業が成功するために必要な条件とは何か?(自分が持っている大きな問いを抽象化して、歴史を調べてみたらそれの根源に近い話を見つけた)
→cognitive division of laborを気合いで理解しようとしている(現在進行中)
認知の分業を実証するために必要なものは何か?(研究室にお邪魔しているのに1人だけ何も具体的な研究をしていない、やる気があるのか疑いが生まれそう、さすがにそろそろ何か実証的なことをやりたい)
→現在進行中
まとめると、
どこかのタイミングで自分ってなんだろうみたいなことを考える(私の場合はいわゆる青年期でアイデンティティが形成されるような期間に自分の性格上、研究というものと重なってこれが起きた)
まずは自分を掘り下げる。何をしたいのかが分からなくなるくらいまで掘り下げる。
そして、大きな問いを生む、自分は大まかに何がしたいのかを意識する
大きな問い、つまり、自分が気になることを凝縮したみたいなものを言語化する
自分の場合は、認知の分業という分野において、「異なる背景を持った人々が目標に向かって協力するためにはどうすればよいか?」(これが言語化できるようになったのは大学2年生の真ん中らへん。)
これがずっと自分の根底にあるというイメージになる。
大きな問いに答えるためにはそれを小さく分けるようになる
どうやって分けるようになるかは、その時々の状況によって変わる(どんな授業を取るか、誰と出会うか、どれくらい時間があるか等)
例えば自分だとここ3年くらいで例に示したような問いが生まれてきた(それぞれの問いに大小、様々な方向性などがあるけど、全て一つの大きな問いの上に存在できるものたち)
これを踏まえて高校生としてやると良さそうなこと(個人の感想です)。
メインのお持ち帰りメッセージ(今回のテーマ):
研究に興味があるなら、問いをつくって行動しよう。そうすれば、自分だけしか知らない、新しいことを発見できるかもしれない!研究でなくてもこれは役に立つから、ぜひ参考にしてこれから何をしたいかを考えてみよう。
サブのお持ち帰りメッセージ(今回のテーマの副産物):
何か興味があれば一度はチャレンジしておく、なぜなら、次に経験するときは二回目になるから(笑)というのも間違っていなくて、大学生になってから本格的にやるとなった時に躊躇しなくなるし、躊躇しているとそれができるかもしれないタイミングを逃す。
何か興味がなくても勉強はしておく。特に、文系理系関係なく文章の読み書きは出来すぎることはない。
英語ができるとこれから先で気にすることが減る、加えて、できることのオプションが増える。
まずは、自分の経験を振り返って、自分が何が気になることについて問いを作ってみよう。この中で自分がやりたいことの優先順位を決めてみて、具体的にどんな行動を取るのか、少し考えてワークシートに書いてみよう。今回は問いをメインテーマにして話したけど、研究について気になることがなければサブのメッセージについて気になること、それに対しての行動をプランしてみよう。
ワークショップで使った (ま、適度に) スライドたち