蟻をどうやって人間の研究に役立てるか

12 May 2024

今日はTさんが手術終わって初めての研究進捗報告MTGでした。TさんはRapという接着タンパク質が細胞接着にいかに大事かという論文を紹介してくれた。Tさんが紹介してくれたやつは、すごく主観に基づいて解釈されていたらしいんだけど、議論自体はとても密度が高くて良かったっぽい。それで定量化しなくても直感が結果的に正しければそれでもいいみたいなことを私がつぶやいた。ま、趣味の範囲で誰かのリソースを特別に使わなければそんな直感でもいいけど、論文のジャーナルとか誰かがリソースかけてアクセスしたり、確実な情報の品質に期待しているような時には定量化は必然的だよねというのはTさんと私の間ですんなりと合意はしてた気がする。

その後に私の論文を紹介したのだが、それは定量的でる一方、定性的な議論とか考察がかなり足りていなくて、ちょっと薄っぺらいなと思ってしまった。論文の著者はその方の研究を集めて一つの集大成にしたみたいなものだったけど、んーという感じ。もちろん私がその論文の重要な点を十分に引き出せていないのかもしれないけど、ま、そう受け取れるということで。

なにが薄っぺらいかというと、その論文はアリと人間の認知機能の共通点について調べていて、結論もそういうものが見つかったというものだったけど、なんせ、認知の概念的な部分では表面上、人間とアリが似ているのは分かる。だけど、実際にその概念を生み出している現象がどこまで共通の要素を持っているのかは言及されてなかったー。

それで例を出したんだけど、人間が、りんごにペンが刺さってるという状態を頭のなかで想像することができる (→ 概念や抽象的な思考)。仮にアリもそれができるとする、今回紹介した論文はそんな感じ。だけど、人間はその想像物を言葉で伝えることができる。アリは?人間も身振り手振りで伝えることができるから、もし、アリが化学物質の組み合わせとかでそれをやろうとしているのであれば、本質は変わらないという理解をした。しかし、アリの場合は例えば、敵がきてそれを警告するようなプロセスがあったとする。そのプロセスはただ反射的にやっているものだと、それは、私がほしいような概念とか抽象的な思考とはいえない。だから、もしその敵の要素をいくつかに分けて、それごとにアプトプットができるような情報の処理機構があればそれは概念の「思考」と考えてもいいかもしれないと考えた。

そこで、Tさんからの提案で、アリの集団に敵を与えて、その敵に対しての反応を見る。敵の種類や特性はこちらでコントロールしてみる。というのがあって、これは個体ごとの認識とするのか、集団においてとするのか、とかもっと考える必要があると考えた。

ということでじゃ考えればいいのだけど、今日は脳みそのエネルギーがなんか本能的にもうこれ以上の深い考察を受け付けていない気がする。ま、そんなわがまま言ってないで、どうにかやったらいいんじゃない?

他の課題とかもあるからそれをぱっぱと終わらして早く戻ってきたい!!!